これまでと違い、見慣れない年末調整の用紙があります。右側には「基・配・所」が丸く囲まれています。これはいったい何ですか?
出演: … M社 経理部
… 顧問税理士
― M社 会議室にて ―
M社経理部まいと顧問税理士が、打ち合わせを行っています。
先生。
この申告書は何ですか?
(手渡された申告書を見ながら)
これは、配偶者控除等申告書と基礎控除申告書、所得金額調整控除申告書を1枚にまとめた、年末調整の書類ですね。
いや。
それは、見れば何となく分かりますけど。
では?
基礎控除申告書と所得金額調整控除申告書って、その名称からして、何となく何がしたいのか分かりますけど。
でも、今まで基礎控除なんて、申告書を提出する必要はなかったじゃないですか。
そうですね。
おっしゃるとおりです。これまでは、誰でも一律同額を適用していましたからね。
ですが、令和2年分から改正されまして、基礎控除はすべての人が受けられる控除ではなくなってしまい、また合計所得金額に応じて控除額も変わることから、このような申告書を提出する必要が生じることとなったわけです。
絶対、ですか?
そうですね。
年末調整で基礎控除の適用を受ける場合には、この申告書の提出が必須ですね。
はぁ〜。
で。
所得金額調整控除申告書も?
そうですね。
こちらは年収850万円を超える人で、一定の要件に該当する人、という条件付きですが。
年末調整で適用したいのであれば、この申告書の提出は必須ですね。
はぁ〜。
じゃあ、配偶者控除や配偶者特別控除を含めて、どれか1つでも適用したいものがあるのなら、必ずこの申告書の提出を受ける必要があるわけですね。
ご理解のとおりです。
分かりづらいなぁ…。
これ、みんな分かるかなぁ。
どうでしょうか。
用紙を配付する際に、記載例や手引きなどがあると便利かもしれませんね。
国税庁の「令和2年分 年末調整のしかた」に記載例がありますので、そちらを活用しても良いと思いますよ。
そうですね。
ああ。でも!
…チェックするのが大変そうです。
そうですね。
初めてですから見慣れませんし、確認に時間がかかるかもしれませんね。
早めに取り掛かるとよろしいのではないでしょうか。
そうですね。
そうします。
先生も手伝ってくださいね。
…(苦笑)
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